Our York Bar  
07≪ 2017| 1234567891011121314151617181920212223242526272829303108/ ≫09
ヘヴンズ・セヴン 序章-2
続きに小説その2を格納。
今回は前回より長めかも。ようやく登場人物の名前が出てきた。
きっと書き直ししまくります(笑)
もうすでに前回分も書き直したい。。。


※電波。

宿も飛行機も取れたみたいです。わーい!

わざわざメールに返信までくださったり、電波飛ばしてくださった方ありがとうございます!

思いつきで書いたオリキャラすごろくが好評そうでよかったです(笑)
プリンタはないけどマスの中に書くネタの応募フォームは作れるので
誰かが形にしてくれたら、いいな……!と(人任せですいません)
あとアンケート本もとか。
インスト縛りも悪くないなぁとか。
アレだ、なんでもやりたいことをやりまくったらいいんだ……!

それから17日は夜20時ごろからでよければ動けると思います!!
ぜひぜひ呼び出してやってください!
あと現地の方で仕事終わりにご一緒してくださる方がよければいいなぁと思ってますうふふ。
わー楽しみー!



ではでは、続きから続きです(←日本語不自由)

 王城へ帰還した「王子様だった」若き指揮官は、城内の人々に歓喜を持って迎えられた――とは、ならなかった。自国に勝利をもたらしたはずの彼を取り囲んだのは、歓迎どころか、あろうことか長槍の穂先だったのだ。
 彼はすぐに身柄を拘束され、1週間独房に入れられた。1週間で外に出ることができたのは、女王が彼の処遇を決定したからである。
 謁見の間に連行され、女王の前に引き出された。――壇上の玉座に座っていたのは、ほんの2か月前までは、彼の父親だったのだが。
「アシュリオ=オーリーン=ジュリカ・アレスティア。面を上げよ」
「王子様だった人」――アシュリオは、静かに顔を上げた。弱冠14歳、それまで、臣下を引き付けてやまなかった素直で快活な王子の笑顔は、今はもうない。この2か月、身だしなみを気にする余裕もなく、伸びた赤毛の下から、虚ろな表情が覗いていた。視線は落としたままで、女王と視線を合わせようとはしなかった。それでも、磨き上げられた白亜石が敷き詰められた美しい床面には、女王の冷たい美貌が映りこんでいるのが、否応なしに彼の目に入ってくる。
 アシュリオにとって、分からないことは多かった。
 いま、女王と呼ばれているこの女は、イゼルレア・デリネルドーンという名で、アシュリオが生まれるよりもずっと前、父の愛妾として後宮に入った女だということしか知らない。
それがなぜ、騎士団の半分以上を買収し、アシュリオの父ジュリカ17世を暗殺し、母レシアを人質に取って、アレスティア王国の王権を簒奪するに至ったのか。
「先の戦、大儀であったな」
 女王の言葉は、労いの言葉から始まり、アシュリオの天才を褒め称える言葉が続いた。なんと9歳でアレスティア王立大学を卒業してから、14歳の現在に至るまでよく兵法を学び、その若さでついに一国を打ち破るほどの指揮官となったことを褒めた。続いて、アシュリオ自身の強力な攻撃魔法が、その勝利の大きな要因であることを付け加えた。――無論、いずれも、心にもない言葉である。
 アシュリオは密かに震えた。戦に勝ったということは、つまり敵兵を大勢殺したということだ。いくらイゼルレアの命令でそうせざるを得なかったとはいえ、余人にはない類稀なる才能を、恐ろしいことに使ってしまった。独房の中にいる間、アシュリオの頭の中は、女王への憎しみや復讐心よりも、むしろ罪悪感と後悔で一杯になっていた。――たとえ、そう仕向けることが、女王の策略であったことに。彼自身気づいていたとしても。
「ところで――アシュリオ。一つ気になることがあるのだが」
 女王の声が今までの甘ったるい調子から一転、尋問するような口調に変わった。
「貴様、故意に敵の皇帝を逃がしたというのは本当か?」
 アシュリオは、ついに来た、と思った。
 女王は、この戦で自分が死ねばいいと思っていたに違いない。生きて帰ってきたとしても、どうとでも理由をつけて自分を処断するつもりだったのだ。
 敵国の皇帝を逃がしたというのは事実であった。一度は捕らえておきながら、アシュリオは無条件で皇帝を逃がすことにしたのだ。そこに、イゼルレアが付け込んだのである。
「皇帝を生かすかどうか、なぜ貴様が勝手に決めたのじゃ? なぜアレスティアに一度連れ帰って、わらわの判断を仰がなんだのじゃ? わらわは、貴様に一軍を預けはしたが、政治をしろとは言うておらん。貴様、自分の置かれている立場がまだ分かっておらぬようじゃな」
 女王は早口でまくし立てるが、もうアシュリオにはどうでもいいことだった。
(殺すなら殺してくれていい)
 アシュリオはそう思った。ただただ絶望的な生殺しの日々からも、激しい罪悪感からも逃れたかったからだ。
「やはりそなたには、しかるべき厳罰が――」
 女王が言いかけたとき、
「お待ちください!」
 閉じていた謁見の間の扉が荒々しい音を立てて開いた。アシュリオは思わず振り返った。
 そこにいたのは、騎士団長ライゼル・ガナッツと、副団長キース・ケンペルだった。史上最年少の若さで騎士団長に就任した鬼才ガナッツと、アレスティア一の武家の名門の当主でもあるケンペル。アシュリオが大学にいた頃からよく仕えてくれ、イゼルレアが女王になってからも、先の戦争でも、必死でアシュリオを守ってくれていた二人だった。この謁見の間へ強硬に進入してきたのだ。
「アシュリオ王子は、月光帝国を見事破り、我が方の領土を拡大した英雄です! その功をお忘れですか!?」
 声を上げたのは、ガナッツだった。いつも穏やかで冷静な彼が、こんなに必死に自分を守ろうとしてくれている。何よりアシュリオのことを「アシュリオ王子」と呼んだことにも、アシュリオは胸を打たれた。
「アシュリオ王子の行為は確かに越権であったかもしれません、が、よい判断をなさいました」
 続いて、ケンペルが口を開いた。
「もし月光帝を殺せば、アレスティアは月光帝国の民から永久に憎まれ、永久に絶えぬ火種となりかねません。賢明なる女王陛下のこと、同じ判断をなさいましたことでしょう」
 アシュリオよりも一回り以上年長のケンペルは、さすがに落ち着いて女王を説得している。だが普段は余裕に満ちたその瞳は、極めて真剣で切実だった。――本当は、そんな政治的な判断よりも、もう誰かを殺すなんてたくさんだ、というアシュリオの正直な心情が働いたのだが。
「そなたらの言、しかと聞き入れた」
 しばしの沈黙の後、女王は落ち着いた声で言った。罰は軽くなりそうな気がした。少なくとも、死罪は免れそうな雰囲気である。
「アシュリオ=オーリーン=ジュリカ・アレスティアはクレシア島へ配流。以降アレスティアの姓を名乗ることを許さぬ。ライゼル・ガナッツ騎士団長、キース・ケンペル副団長は、アシュリオを庇い立てした罰として、1週間の謹慎処分とする」
 女王が近衛兵を呼び、再びアシュリオは拘束された。
「アシュリオの出航は翌日夜とする。早々に準備をするがよい」
 それはかなり急な話であった。クレシア島は北方の小島である。思い立って急に船を出せるような場所ではない。つまり、騎士たちの諫言があろうとなかろうと、はじめから自分を処刑にするつもりなどなかったのだと、アシュリオは気づいた。
 なぜ、イゼルレアは自分を殺さないのだろうか。
 それがアシュリオにとって、もっとも不可解なことであった。

スポンサーサイト

2010'06'27(Sun)23:08 [ 創作日記 ] . . TOP ▲