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Tw300字ss 第二十四回お題「声」
「ふりかえる」

 高校時代、彼女は陰で「イボガエル」と嗤われていた。
 離れたぎょろ目、つぶれた鼻。いつも半開きの大きな口。浅黒い額と頬の上には、弾けそうに膿んだ白にきびがいくつもできていた。
「斉藤ざぁん、教科書見せでぇ」
 そのうえ声まで、首を絞められた蛙のようだったのだ。
「ごめん、他の子に借りて」
 私は彼女に冷たくした。仲良しだと思われたら、私までバカにされそうで。
 十五年経ったいまでも、あの時の彼女の寂しげな表情が忘れられない。
「ケロざえもん、只今参上! 悪いやつにはお仕置きケロ!」
 かわいいカエルのキャラクターがテレビに映ると、幼い娘は大喜びだ。あの頃の友人は皆音信不通だが、彼女の声は日曜が来るたびに聴こえてくる。

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298字(wordで計算)
下記お題配布元ツイートの引用です。



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2016'08'06(Sat)21:00 [ Tw300字ss ] . . TOP ▲